骨粗鬆症とは、骨密度が低下した状態で、骨がスカスカになった状態を言います。
本来、骨は、身体を支える役割を担っていますが、骨密度が低下すると、骨の体を支える力が弱くなります。
骨の支える力が弱くなれば、周りの筋肉への負担が増えるので、背中や、腰の筋肉が張って痛みが出たりします。
骨粗鬆症の腰椎の模型 正常な状態の腰椎の模型
上の写真は、腰椎の模型で、左の写真は、骨粗鬆症と圧迫骨折の状態、右の写真は正常な状態を表した模型です。
写真では三つの椎骨と、脊髄神経(黄色)、椎間板(水色)が表されています。
写真の左が前、右が後ろで、真ん中で縦に切った断面図で、椎骨の右側半分の模型です。
椎骨の、神経より前側の四角い部分を椎体、神経より後ろを椎弓といいます。
椎骨の断面に見える白い筋は「骨梁」といい、これがたくさんあるほど骨密度が高い(右の写真)ということになり、レントゲンでは白く写ります。骨粗鬆症では、骨梁が少なくなって、レントゲンでは黒く写ります。この状態を「骨がスカスカになる」と表現したりします。当然、骨自身の支える力が弱くなります。
左の写真の真ん中の椎骨は、椎体が四角ではなく、潰れていますが、これが圧迫骨折です。他の二つも潰れているんですが、真ん中が一番わかりやすく潰れています。
当院では、骨密度を上げるための治療はできません。一般的に言われている、「適度な運動をする」「太陽に当たる」「ビタミンDを取る」などのアドバイスを行います。
骨粗鬆で痛みのある方への治療は、鍼灸やマッサージの施術を行います。マッサージは体重をかけない軽めのマッサージになります。骨が弱くなっているので、うつ伏せになっている方に体重をかけてマッサージをすると、肋骨を骨折したりします。
骨粗鬆症と言っても、人それぞれ程度は違います。「骨粗鬆症」と病院で診断されても、「あなたも骨粗鬆症、わたしも骨粗鬆症だから同じ状態だね」ということにはなりません。
程度の悪い骨粗鬆症だと、背伸びや、体を捻っただけで、胸椎や腰椎の圧迫骨折を引き起こしたりします。
病院で、薬をもらって飲んだら、骨密度があがった話もよく耳にします。
骨粗鬆症で注意が必要なのは、圧迫骨折を引き起こすことです。
すでに診断されている方は、来院の際に言ってもらえると助かります。
お客様の声006 女性87歳 腰痛(骨粗鬆症、圧迫骨折の診断) 2013.04.14